コラム鶏肋報

鶏肋報(けいろくほう)って??
“鶏肋報”はおざきの造語です。
鶏肋:出典は三国志演義。鶏の肋骨の肉は、美味いがわずかな肉しかなく、かといって捨てるには味があって惜しい。役には立たないが、捨てるには惜しいものの例え。

【2024.08】新たなる挑戦
  政治資金パーティー券問題を皮切りに、自民党への不満が噴出しています。
 海外ではウクライナ戦争が長期化。中東情勢も重なったことで欧州各国の人々の不安が渦巻き、物価高も相まって政権交代や新興政党の躍進が始まりました。また、世界を覆った新型コロナ以降多くの先進国を襲うインフレの出口を、各国の中央銀行は必死で模索しています。日本も例外ではありません。「デフレ脱却!」と叫んでいた頃と比べて、多くの人が日々のスーパーでの買い物時、値上げを実感しています。
 おざきは二〇〇七年の春、多くの方々の支援をいただき初めて香芝市から県議会議員になりました。二〇〇七年はリーマンショックの前年、そして第一次安倍政権が終わった年でした。一般的な家に生まれ育ち、いわゆる〝2世議員〟ではない私は学生時代、あるきっかけから初めて政治の世界を垣間見る事になりました。

政治への路
 前田武志先生(元 国土交通大臣)の初陣である衆議院選挙の手伝いをしたのが22歳の頃。まだ学生でした。やがて前田先生が自民党を離れ新党に。当時、自民党による事実上の一党独裁政治に限界を感じていたのもあり、私は先生に追随する形で自民党を飛び出しました。

変えてはならないものを
守るために
 すべてに言えることですが、変えてはならないものを守るためには積極的に変わる必要があります。変化を恐れては良き状態を持続させることができず、『常に成長と進化、改革が必要』ということです。
 私が考える改革の保守とは、守旧的に姿かたちを守り続けることではありません。時代や国民の生活の変化に対応させる不断の努力をすることです。改革なしに存続の道はなく、また、そうすることで過激思想の伸長を阻むこともできます。
 戦争や紛争の影響から国民の怒りと不満をばねに右派や極右と呼ばれる政党が伸長する今の状況は、危険であり行き過ぎです。政治が国民の不安や不満の解決に尽力しているかが強く問われています。厳しく有権者が判断し始めたということです。

責任転嫁しない覚悟と
日本の未来
 記憶に新しい、政治資金問題後の安倍派・岸田派・二階派の会計責任者の起訴。国会議員の責任転嫁の構図が改めてつまびらかになった事件です。
 おざきは初当選時から一貫して、政治団体の会計責任者を自ら務めてきました。
 初めて団体を設立する際、周囲から『他の人を選任すべき』と言われたものの、『自分は責任を負う』と覚悟しました。初志貫徹、当たり前のことをこれからも続けるのみです。
 日本経済の低迷を解決するのも同じように、当たり前の事を覚悟とともに進めなければなりません。デフレ脱却を旗印に進められた金融政策はそもそも、経済学界多数派の意見によると『うまく効かない手』。デフレ不況時にこそ、経済成長を長期にめざす基本の政策『生産性向上』に全力を注入しなければなりませんでした。
 生産性向上に資する3つの柱のうち、『人的資本の向上』と『技術の進歩』に必要不可欠な政策、それは教育です。
 短期的には手厚い『物価高対策』と『賃金アップ』、長期的には『イノベーション産業を興せる人材教育』の重要性を訴えていきます。また子ども予算を拡充します。若い世代と年金生活者への支援の両立の実現に、おざきは真正面から挑戦します。
【2015.01】議員の本懐
 県議会議員になり8年が経ち、本会議での知事や執行部への質問回数は代表質問2回を含め計11回を数えます。
 当選直後の2007(平成19)年6月定例会での初質問において、選挙開票事務の効率化を通して職員の意識改革につなげる提案をしたのを懐かしい気持ちで思い出します。
おざき充典はその時々の県政の重要課題を調査し、解決のための提案をしてきました。
 児童虐待死問題では、桜井の事例を加害者である親の立場で検証しました。 県の経済対策については、藻谷浩介氏の持論を紐解きつつ、人口減少を踏まえ、人件費を上げて内需拡大のためのブランド化とアジアの富裕層を取り込む必要性を提案、さらには 女性の社会進出と消費傾向についても議論しました。精神障害者の福祉医療の問題では、平等理念に基づき他の障害と同等の医療費助成制度の導入をお願いし、実現の運びとなり ました。
介護については、現場で働く人の笑顔なくして介護を受ける人が幸せになれるはずが無いという信念のもと、介護従事者の処遇改善の提案をさせて頂きました。
地域交通安全対策( ゾーン 30)では西真美自治会の皆さまの熱意と努力の結果としてゾーン指定成功の一助となる質問をさせて頂きました。
骨髄バンクのドナー登録推進については、取り組みの強化を約束してくれました。 その他、関西広域連合未加入問題や校庭の芝生化推進、消防の広域化など多くの質問と提案を実行し、知事と議論を交わしました。
 議員になって8年、おざき充典は常に皆さまのお話を聞かせて頂き、実際に見て、聞いて、感じた矛盾や違和感に敏感に反応する事、その感性に基づき課題の本質を見極め議論をする事、さらに 結果を導くだけでなく成果を出して行くという気概をもって県の課題を拾い上げてきました。そうすることでチームおざきとして総力を挙げ、本会議での質問に臨む姿勢を貫けてきたと思います。
 おざき充典は議員の仕事のあるべき姿をこう考えています。
 「現状」から「挑戦」へ、「挑戦」から引き出した「結果」を「成果」へ。
 つまり「現状」から課題を冷静に分析し、解決策の提案をする「挑戦」。その挑戦から引き出され た答弁等の「結果」を県民の皆様の安心という「成果」にしっかり繋げることです。
 平成 26 年 6 月議会で取り上げた救急医療の課題は、「重症度に関わらず、徒歩でも自家用車でも絶対に断らないER救急窓口を県内に新設する」 というおざきの提案(挑戦)によって、知事の県政運営に大きな方向転換を生み出すことができました。 議員の本懐を実感できた瞬間でした。今後も県民の命に直結するこの至上命題が「成果」へと結びつくまで、全力で取り組み続けます。
【2013.09】近年の政治の動向と小選挙区制の是非
今回は、近年の政治の動向と小選挙区制の是非についておざきの見解を述べたいと思います。
 衆議院選挙の小選挙区比例代表並立制の選挙制度が1996年に始まり、今年で17年が経ちました。その結果として、まず自民党内での派閥主導による総理大臣決定システムが小渕総理を最後に崩壊しました。小渕総理逝去後、自民党幹部5人組の話し合いにより森政権が誕生しましたが、密室談合と非難され、やがて小泉政権が誕生し、選挙による初めての政権交代が起こり民主党政権が誕生しました。昨年末には選挙による2度目の政権交代が行われ、安部政権が誕生しています。
小泉政権以降はすべて選挙による国民の選択によるものと切り分けても大丈夫でしょう。
 この流れは多くの方の記憶に新しく、シンプルで一見理解しやすいのですが、背景にあるものは実は複雑であり少し説明が必要です。
 ポイントは、財務省(旧大蔵省)と政治家の主導権争いが根底を流れていることです。
 まず、経世会(竹下派)中心の、派閥による総裁決定のシステムは小渕総理で終焉を迎えました。経世会には派閥による悪いイメージが付きまといますが、財務省主導を改めて政治主導を実現しようとしていた事も事実でした。
 その後の自民党幹部5人組もこの流れを踏襲しますが、森総理の軽率な言動に対するマスコミバッシングにより信頼を失い、政治が力をなくして行きました。そのタイミングで国民の絶大な人気を背景に、日本の救世主のごとく出現したのが小泉総理でした。
 小泉総理は金融族と目され、その彼が特に力をいれたのが「郵政民営化」でした。財務省の権限の及びにくい金融機関を民営化し、目の上のたんこぶを一つ無くした事でもそのスタンスは明確です。さらに、予算にシーリングをかけ(キャップをかぶせて)、福祉と地方を切り捨てました。『彼らは、財政健全化さえ守れれば国民が餓死しても良いと思っている』と、財務省(大蔵省)の悪口を言う人もいます。
 その後の民主党政権も政治主導を目指しましたが、党内権力闘争に終始し、政権を担う大役への準備不足、力不足は明白でした。
 この様に、見方を少し変えるだけで政治の根底に流れるものの一部が表面化してきます。
 おざきは、市民の感覚を忘れずに、政治に市民感覚を反映して、分かり易く表現して行くことを心がけています。
しかしながら政治は複雑であり、白黒がハッキリしない、いや、させては危険とさえ考え始めています。
 マスコミの誘導報道やスカッとする勇ましいだけの言葉には『参考にすれど、支配されず』の姿勢で、政治家も市民もプロにならねばと思っています。一方で、誘導報道等による有権者への影響を心配してか、“政権交代が起こりにくいが、国会議員が選挙の事よりも国会・政策活動に専念できる「中選挙区制」に戻すべき”との議論もあります。
 しかし「中選挙区制」を言い換えますと、一度国会議員になれば引退までは立場を守りやすい制度でもあり、上記の議論はそれに戻す事を意味します。それは安直過ぎます。
 理想は、政治家を含む市民の意識が更に高まり、且つ、政権交代を可能にする「小選挙区制」を維持することです。
 おざきは、その土壌が少しずつですが出来上がりつつあると感じています。日本人の倫理観や知性は世界から評価されており、健全な民主主義は日本なら実現可能です。
 「小選挙区制」は、政治家に緊張感を持たせながら、成熟した日本人が自らの国の行く末を「お上」に任せることなく、責任と自覚を持って良き方向に向かって行く為に大切な政権交代のスイッチです。そのスイッチを皆様の手元に留めておくために「小選挙区制」を維持して、育てていく必要があると考えています。
【2011.03】「チーム奈良」に参加してください。
奈良県議会議員は他県と比べると少人数で、とてもまとまりやすい状況です。私がそれを実感したのは、2010年の一年をかけて「奈良県議会基本条例」をつくった時でした。
議員全体が一体感を持ち、議会基本条例検討委員会がひとつの「チーム奈良」になっていく瞬間に立ち会うことができました。
 わたしたちが暮らす奈良県は、日本の100分の1モデルといわれています。人口・面積・経済力・予算規模、どれをとっても全国平均には程遠い状態です。
 しかし、それは有利であるとも考えられます。なぜなら、私たちに危機感や一体感を持たせることができ、発想の転換次第ではコンパクトさを有利に働かせることもできるからです。
おざき充典はこの4年間で多くの勉強の機会をいただきました。そして、県民の皆さんと県の諸課題についての情報を共有し、ともに考えながら、ひとつの「チーム奈良」を築きたいと強く考えます。
 地域主権は加速します。教育・介護・育児等の生活に密接した分野の課題に対し、自主的な取り組みと自立した考えを持った新しい奈良県の創造をめざすために、どうか皆さまの智恵をお貸しください。
「チーム奈良」に、あなたの参加を心よりお待ちしています。
2010.08】県議会基本条例と三重県視察
 奈良県議会は今、改革に取り組んでいます。おざき充典を奈良県議会に送っていただく以前にも改革の取り組みがあり、議員定数の削減などもおこなわれてきました。それが加速し始めています。
たぶん県民の皆さまの一般的な奈良県議会や奈良県庁のイメージは「保守的で安心感はあるものの改革にはほど遠い」ではないでしょうか。 また、「県議会は何をしているのか分からないし、自分たちの生活とは無関係」と考えている人も多いように思います。
昨年、東京で自治体議員の勉強会がありました。
 パネラーは、月刊ガバナンスの千葉茂明編集長と三重県議会の三谷哲央議長でした。
 大変勉強になり講義終了後に私が興奮さめやまぬ状態で、お二人にそれぞれごあいさつに行きました。
 千葉茂明編集長からは、「奈良県議会ですか、大変ですが頑張ってください。奈良県議会が変われば全国が変わりますよ、期待しています」との微妙な激励をいただきました。
 三谷哲央三重県議会議長からは「お隣ですから共に頑張りましょう。何か参考になることがあると思うので三重県に是非いらしてください」と激励されました。 共に表現は違いますが県民の皆さんのイメージも他県の有識者の見方にも違いがないことが分かりました。複雑な無力感に包まれて奈良に戻ってきたのを覚えています。
 ところが、すぐにチャンスがめぐってきました。
 少し前から県議会の先輩たちが議員提出の条例制定などの準備をしている動きは、蚊帳の外からではありますが眺めていました。 おざき充典もそのうちに力をつけて蚊帳の中に入ってやると意気込んでいましたが、そのチャンスが来たのです。
 本年2月に議会基本条例検討委員会がいよいよ設置され、会派の先輩の配慮をいただきメンバーになれました(その時、心の中で小さくガッツポーズをしました)。 私自身以前から議会基本条例に興味を持ち、その意義を理解していたことが役立ちました。 実は、会派の打ち合わせの時に誰か委員の希望者はおるか?の問いに「はい」と元気よく手を挙げたのがすべてでした。
 検討委員会は上田悟委員長、岩城明副委員長を含め、自民党5名、民主党2名、自民党改革2名、共産党、公明党、新創NARA、自民党未来がそれぞれ1名の13名です。 会議は、原則隔週で水曜日に行い、他の委員会とは違って議員間議員間の議論が基本です。
皆さまが普段会社やPTAや自治会で行う会議のイメージと同じだと思います。
 余談ですが、私が議員になって驚いたのが、議会も各種委員会も議員間の議論がほとんどないことです。 議論は執行部(知事側)と議員とのやり取りがすべてで議員間の討議はできない仕組みになっていました。
 しかし議会基本条例検討委員会は違いました。議会基本条例を簡単にいいますと、議会改革のために必要な道具ととらえると分かりやすいかと思います。 今年の5月21日に検討委員会のメンバーでもある自民党の井岡正徳委員と一緒に三重県議会に視察に行き、三谷哲央議長と再会が出来ました。 ちょうど1年ぶりですが、想像以上に早くしかも奈良県議会改革の奈良県議会改革の相談で会うことが叶いました。 複雑な無力感を感じてわずか1年での再会です(どや、の気持ちで胸をはっていたと思います)。
 視察では、先進県である三重県に条例制定後の長所と短所を中心に聞いてきました。多くの専門的な説明の中で一番印象に残ったのは「とにかく議員が忙しくなる」あるいは「議会改革の取り組みの中で議会に不思議な一体感がでてくる」でした。
議員が忙しくなることは皆さまの支持が得られそうですが、公務が忙しくなると選挙には弱くなるかもしれません。(お願いします)
「不思議な一体感」については、議会基本条例検討委員会ですでに現れており、議会改革の名のもとにまさにチーム奈良が出来あがってきました。
 選挙になれば自分たちや党の立場でおもっきり戦い主張する。終わればチーム奈良として奈良県のために忙しく働く、これこそ県議会議員の本分だと思います。
間もなくパブリックコメント(皆様の意見を聞く機会)も予定されていますので、奈良県議会基本条例にどうか興味を持っていただき多くの意見を頂きたいと思います。                                                                              
【2010.03】政権交代
政権交代という、誰もケガをする事のない『民主主義の革命』が行われました。
以前は、一部の外国人から日本は、政権交代が起こらない社会主義的な不思議な国と見られていたようです。ようやく成熟した民主主義の入口に立てたのだと思います。そこで、今回の鶏肋報では、おざき充典なりにこの政権交代を整理してみました。

1番目は、『しがらみ』がない政治が出来ることだと思います。
八ツ場ダムを前原国土交通大臣と我らの奈良県連代表 馬淵すみお国土交通副大臣(当時)らが中止すると明言できたのも、このダムが旧政権の先輩議員が手がけたものであり、民主党の先輩が築き上げたものではなかったからだと思います。
前政権の政策の検証ができ、誤りを遠慮なく修正できることが政権交代の最大のメリットです。

2番目は、官僚政治に終止符を打つことができることだと思います。
明治以来、効率的に機能していた官僚主導の政治が高度成長期を最後に、日本経済が大きく成長し、青年期を過ぎ大人になってしまって以降、親(官僚)の役割が減少してきて思い通りに機能しなくなってきました。そして、威厳を守ることと自己保身にのみ執念を燃やし始め、やがて志を忘れていきました。
大きくなった日本は、もはや官僚の知恵による小手先が通用しなくなってきたのです。このような状況を打開するには政治主導が必要となります。政治主導の最大の利点はまさにこの部分にあり、政治理念や哲学をもって大きなかじ取りができることだと思います。思い切った方向転換は、責任をとることのできない官僚たちには本来不向きなのです。
誤解のないように言っておきますが、おざき充典は官僚たちの能力の凄さは半端ではないと思っています。
実は、奈良県庁にも中央官僚の人たちが出向しています。県議会議員として様々な議論を通して能力の高さを体感させていただいています。私は、政治家も官僚も共に志をもって、それぞれの能力を切磋琢磨しながら活かしていくことが大切だと考えています。

3番目は、地方分権がすすむことです。
おざき充典は、権限や財源を中央政府から地方政府へ、さらには地域コミュ二ティまで持ってくることを『地方分権』と考えています。民主党は『マニフェスト』で地域主権の確立を約束して、原口総務大臣が取り組みを始めています。
ところが注意していないと旧政権の如く、官僚たちと国会議員が自分たちの権限や財源を離したくないと考えてきてもおかしくないと考えています。
民主党は『マニフェスト』で『中央政府の役割は外交・安全保障などに特化し、地方でできることは地方に移譲します』と約束しました。このようになると官僚を含む中央の公務員の数は激減します。もちろん国会議員も半分以下でも十分、となるのです。この改革はまさに皆さまがしっかりと監視していただかなければ実現しないと思います。
奈良県は、知事も議会も地方分権の一つの形である『道州制』には消極的なようです。
おざき充典が描く理想の枠組みには都道府県は存在しません。もちろん奈良県もなくなるわけで、そのことが消極的な原因の一つかもしれません。
参考までに申し上げますと、国と州と人口15万人以上の基礎自治体(市)と地域コミュニティ議会(ボランティア議会)の形がよいと考えています。その場合、国会議員と州議会議員と市議会議員は少なくして、地域コミュニティ議会の充実をはかるようにします。地域コミュニティ議会とは、今の自治会の発展的なイメージです。より民主的にするために一般選挙の導入も必要だと思います。
そして『地方政府』が実現した日を夢みて地域をしっかりと担えるためには、知事や市長、県庁や市役所そして我々議員がさらなる努力を続けていかなければなりません。もちろん、地域コミュニティを支える市民の皆さまの協力も重要になってきます。しかし、この努力や協力は『わくわく』しながらできます。本当に楽しみです(^ ^)
【2008.08】『守・破・離』
過日、荒井知事が夕方の情報TV番組ムーブに出演しました。
近畿2府4県の知事と徳島県知事が一同に集まり地域の課題について議論をする番組でしたが、その中でドクターヘリ(救急ヘリコプターにお医者さんが乗っているもの)を広域で共有して効率的に運用する議論がありました。
 現在、奈良県には自前のドクターヘリはありません。和歌山県にお願いしているのが現状です。
そこで大阪府の橋下知事から”すぐにでも広域でやるべきでしょう”との提案があり7人の知事に同意を求めていきましたが、そこで荒井知事だけが明快な賛成の態度ではなかったようです。
そのことで私の支持者の方から『パッとしない知事やな!』との報告をうけました。
 早速、尾﨑充典が当時所属しました過疎地・水資源特別委員会後に担当者に状況説明をもとめました。
すると答えは意外なものでした。
現在、和歌山県にドクターヘリをお願いするのが年1回~5回程度で、その費用として和歌山県にお支払いする1年間の協力金は、平均で百万円以内であることが分かりました。一方、大阪府でもドクターヘリを導入しましたが、都市部であるため予想に反して利用度が少なく、持て余している事実があり、そこで奈良県に対して数千万の負担金で共有しないかというさそい話がありました。
しかし負担金が大きすぎて断っている状況であることの説明をうけました。
 そうなんです、荒井知事は奈良県の財政をその場の雰囲気に飲まれることなく守ってくれたのでした。
 また橋下知事は、府議会にて「国の直轄事業の地方分担金を払わないで置こうと思います」との攻撃的な表現で、国に対して牽制球を投げました。一方の荒井知事は、6月議会の説明ですでに地方負担金の減額の要望を出していることが分かりました。
マスコミをうまく利用して府民を議論のテーブルにのせて府財政の立て直しに奔走している橋下知事の手法も評価出来ますが、荒井知事の朴訥(ぼくとつ)ですが実効性のある手法も、時間がたてば必ず県民にも評価されていくように思います。

 尾﨑充典の県議会での活動方針は「『守・破・離』でいこう」です。ご存知の方もおられると思いますが、『守・破・離』を簡単に説明します。
武道や茶道の学んでいく段階のことで、剣道なら「守」は基本に忠実に学ぶ段階をいい、「破」は守の段階で学んだ基本に自分なりの工夫を加えたり自分にあった形で打突する段階をいい、「離」は基本を中心にすえながらも、形にとらわれず、機に臨んで自由な打突を得られる段階のことです。
 もちろん新米県議として今年の『守・破・離』は「守」をしっかりと学ぶことを意味します。
 橋下知事の手法が成功するのか、それとも荒井知事の手法が評価されるのかを最前線の政治の現場でドキドキしながら学ぶことができる私は、本当に幸せものです。